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<7/7〜7/12>地域で流行っている病気|あんべこどもクリニック|印西市の小児科・アレルギー・予防接種・乳幼児検診

<7/7〜7/12>地域で流行っている病気


RSウイルス:(0→)0→ 0
hMPV:(0→)0→ 0
アデノウイルス:(4→)6→ 4

溶連菌:(17→)23→ 12
胃腸炎:(73→)105→ 80
水痘:(2→)2→ 3
手足口病:(2→)2→ 3
突発性発疹症:(2→)1→ 0
ヘルパンギーナ:(0→)0→ 2
伝染性紅斑:(7→)6→ 2
インフルエンザ:(0→)0→ 3
新型コロナ:(0→)4→ 4
(※ヒトメタニューモウイルス)

 

今週の1日あたりの来院数は平均人173/日(先週は181人/日)、発熱者は平均53人/日(先週は54人/日)でした。

今週は久しぶりにインフルエンザが見られました。季節外れなのでB型かと思いましたがA型でした。市内の小学校で学級閉鎖になっているところがあるようです。恐らく孤発的なものと思われますが、兄弟間で感染して他の園や学校に蔓延する可能性も否定はできません。来週以降の動向が気になるところです。

発熱患者は横ばいです。多くはいわゆる夏風邪のウイルス(エンテロウイルス)と思います。手足口病やヘルパンギーナもこのウイルスの仲間です。風邪症状だけでなく胃腸炎症状や発疹が出現するウイルスもいます。感染経路は接触・飛沫・糞口と色んなところから入り混んできます。この暑さの中でマスクを常用というのも難しいと思うので、手洗いを意識してもらうのを防ぎましょう。

 

当院は月1回、ミーティングを開いています。今月は子宮頸がんワクチンについて製造会社さんに講義をしてもらいました。
日本では毎年約11000人の女性が子宮頸がんを発症し、約2900人が亡くなっていきます。ガンはお年寄りの病気でしょ?と思っている方もいるかもしれませんが、子宮頸がんに限っては20代前半から見られはじめ、発症年齢のピークは25〜45歳とまさに子育て真っ最中の時期に重なります。私は研修医の時、千葉県がんセンターに勤務していました。麻酔科を3か月廻り、色んなガンの手術の麻酔を担当しました。ほとんどがお年寄りですが、子宮頸がん(と乳がん)だけは若い患者さんが多く、そのほとんどが小さいお子さんを持つお母さんでした。治療の成果なく、残念ながら亡くなってしまった方を何人も見てきましたが、小さい子供を残していく母親の気持ちを考えると言葉になりません。
しかし、子宮頸がんワクチン(シルガード9)を接種すれば、こういった悲しいお母さんを9割近く減らすことができます。ガンをワクチンで予防できるのはB型肝炎(後に肝臓ガンになる)と子宮頸がんだけです。打たない理由はないぐらい、接種をおすすめします。
子宮頸がんはヒトパピローマウイルスの感染によって起こります。性行為で感染するため、実はほぼ全員がこのウイルスに感染します。そのため、子宮頸がんを発症する・しないは、感染したウイルスの型(ガンになりやすい・なりにくい)や自分の免疫がどこまでウイルスに感染した癌細胞を駆逐してくれるかによります。ここで重要なのが、子宮頸がんワクチンはヒトパピローマウイルスの感染を予防しますが、ウイルスに感染した癌細胞に対しては効果がないということです。つまり、初めての性行為の前に子宮頸がんワクチンを接種することがとても大切になります。早いと中学生で性行為を経験する子もいます。まさか自分の子がとは思う方もいると思いますが、ワクチンの接種は早いに越したことはありません。小学校6年生のうち、遅くとも中学校1年生までには接種を終えているのが理想です。
とは言っても副作用が心配で接種をためらう親御さんも多いのは事実です。副作用で寝たきりになってしまった方達がテレビで放送されましたが、その衝撃は非常に大きいものでした。ただ、これは子宮頸がんワクチンだから起きたというわけではなく、他のワクチン接種でも起き得ます。報道のあり方に問題があります。重い副反応が生じる確率は0.006%(10万人に6人)です。更に治癒不可能な副反応が生じる確率はもっと低くなります。一方で、一生のうちに子宮頸がんにかかる頻度は75人に1人と言われています。その確率は1.33%です。重い副反応を生じるリスクよりも子宮頸がんにかかるリスクの方が圧倒的に高い(222倍)ことがわかります。また、名古屋で有名なスタディが実施されました。子宮頸がんワクチンを打ったグループと打たないグループに分けて、その後に24の症状(めまい、脱力、歩行困難、過呼吸、知能低下、視力低下etc)を生じる頻度に差が出るか、とういうものです。驚くことにワクチンを打っていないにもかかわらず24の症状を生じる方達がいて、どちらのグループも24の症状の発症に有意差を認めなかったという結果になりました。つまり、ワクチンは関係ない=安全だということが実証されました。ちなみに、中高生よりも小学生の時に接種した方が24の症状が起きる確率は低いようです。
コロナワクチンの接種が子供向けに開始された時、私は接種しない方が良いと強く訴えていました。あれは接種後、あまりに亡くなる人が多く、明らかにおかしいとわかる代物でした。しかし、子宮頸がんワクチンはコロナワクチンなんかと違います。しっかり時間をかけてデータを収集し、安全性が確認できていて、世界中で接種されています。海外では接種率が実に90%以上の国が多いなかで、日本においては57%(11〜16歳)と、先進諸国の中でダントツ最下位です。今後、子宮頸がんワクチンに関する情報が正しく伝わり、接種する人が増えてくれればと期待しています。

長文になりましたが、少しでも興味を持ってくださる親御さんが増えてくれればと思います。質問などもお待ちしておりますので、遠慮なくご相談下さい。

 

 

☆当院は厚生労働省「感染症発生動向調査」の小児科定点になっており、上記は対象となる疾患を集計したものです。

☆印旛保健所管内の感染症情報はこちらhttp://www.inba-med.or.jp/update.html

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