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一般小児科|印西市のあんべこどもクリニック|小児科・アレルギー・予防接種・乳幼児検診

PEDIATRICS

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小児科

小児科診療全般を行っています。鼻汁、咳嗽など、お子さんでお困りのことは何でも相談をお受けいたします。育児相談、予防接種スケジュール相談なども幅広く対応しています。

発熱

感染症には細菌感染、ウイルス感染、真菌感染があります。細菌感染や真菌感染は抗菌薬や抗真菌薬が効果的ですが、ウイルス感染には根本的な治療薬はありません。あったとしてもその種類は少なく、ウイルスを倒すのではなく、ウイルスの増殖を抑える程度のものしかありません(例:インフルエンザのタミフル、ヘルペスウイルスのアシクロビル等)。
そして子供の発熱の9割以上が何かしらのウイルス感染です。つまり、抗菌薬を内服しても効果はありません。むしろ不必要な抗菌薬の内服で耐性菌(*)を作ってしまい、それが悪さをすると治療の手立てがなくなってしまいます。

(*)人間の体には多くの種類の細菌が「住んで」いますが、これらを常在菌と呼びます。常在菌は普段は悪さはせずに「住んでいるだけ」ですが、人間の体力が落ちた時や、菌の数が増えた時などに悪さをします。不必要な抗菌薬を長期に渡って何種類も内服していると、これら常在菌達は鍛えられて耐性菌(抗菌薬が効かない細菌)に変化してしまいます。その代表がMRSA(メチシリン耐性黄色ぶどう球菌)やPRSP(ペニシリン耐性肺炎球菌)、CRE(カルバペネム耐性腸内細菌)、MDRP(多剤耐性緑膿菌)です。これらが一旦悪さをし始めると、倒せる抗菌薬が限られてくる、もしくはないため、治療が困難になります。

また、内服した抗菌薬が腸内の善玉菌も倒してしまうため、胃腸炎症状を生じ、ビタミンKが吸収できなくなって血液を固まらせる材料を作れず、出血傾向となることもあります。発熱時は抗菌薬を内服すると何となく安心と思うかもしれませんが、効果がないどころか見えないところで悪影響もあるため、内服の適応をしっかり考えなければなりません。
小さなお子さんは初めて出会ったウイルスに感染してすぐ発熱します。例えば風邪のウイルスは約200種類と言われていますが、各種類ごとにいくつもの型があり、途方もない数になります。そのため、集団生活を始めたばかりのお子さんは常に風邪のウイルスに晒されることになり、感染して免疫が付く(抗体が作られる)までは、頻回に熱が出たり、風邪症状が続いたりします。
上でも述べましたが、抗菌薬は効かないので、身体がウイルスを排除するまで辛抱強く待つしかありません。しかし、症状が強く辛い時は、それを緩和させるためのお薬を使いながら待つことになります。
また、熱の高さと病気の重症度は比例するものではありません。40℃の発熱があっても元気な子、37℃後半でもぐったりしている子では、後者の方が重症で、緊急度が高いことが多いです。数字だけに惑わされず、お子さんの様子がいつもと同じか、それとも全然違うかで判断することが大切です。
熱があっても元気で水分も摂れ、夜も眠れているなら解熱剤は必要ありません。熱があって、ぐったりしている・頭が痛い・不機嫌で水分が摂れない・眠れない等の場合に使ってあげてください。
熱があるというだけで解熱剤を連用すると、肝臓に負担がかかることがあります。また、基本的に1歳未満(症状によっては6ヶ月未満)のお子さんには解熱剤は使用しません。
上手に解熱薬を使用して、辛い熱を乗り切りましょう。

突発性発疹

乳児期にかかることの多い病気なので、生まれて初めての発熱が突発性発疹だったというお子さんも多いです。しかし、最近は罹患年齢が上がっていて、4〜5歳で突発性発疹症だった例も散見します。
通常、熱は3〜4日で下がり、熱が下がるタイミングで全身に発疹が見られます。発疹は小さなプツプツとした紅斑が多く、3~4日で治り、跡が残ることは基本的にありませんが、強い痒みを生じて不機嫌になることもあります。感染から発症するまでに約10日程度の潜伏期間があります。発疹が出る頃にはウイルスはかなり減少しているため、発疹が出ていても熱が下がっていれば、日常生活に制限はありません。
ウイルス感染症であるため、抗菌薬は無効であり、解熱剤を中心とした対症療法がメインになります。
ただ、突発性発疹症はけいれん発作を起こしやすいウイルスであり、発熱期と発疹期にけいれん発作を生じることがあります。急性脳症の原因ウイルスとしてもよく知られているため、注意が必要です。

クループ症候群

喉の腫れ(上気道の狭窄)により、ケンケンと甲高い咳(犬吠様咳嗽)が生じます。安静を保ちつつ、喉の腫れによる狭窄を改善するための吸入を行ったり、ステロイドを投与したりします。治療によって症状の改善が思わしくない・呼吸が苦しいような場合は入院が必要なこともあります。
大抵はステロイドを内服しながら自宅で様子を見ることになりますが、お部屋の加湿を十分にしておくと少し楽になります。また、大泣きしてしまうと一気に症状が悪化することもあるので、ゆっくり落ち着いた環境で過ごさせてあげることも大切です。

水いぼ

10才以下の子供によく起こる病気で、伝染性軟属腫ウイルスの感染によって生じるいぼの一種です。ウイルス性のいぼで、かたくてつやのあるいぼの真ん中がくぼんでいるのが特徴です。いぼがつぶれて、中のウイルスが他の部位の皮膚について広がっていきます。
通常は半年〜1年ほどで自然に治癒します。症状に応じてピンセットでつまむ・液体窒素で焼く・硝酸銀溶液をつける・スピール膏を貼付する・イソジンを塗る・漢方薬を飲むなど様々な治療法がありますが、どれも一長一短で決め手にかけます。
他人に感染するわけではないため、プールなども制限はありません。

蕁麻疹

ほとんどの場合は1〜2週間以内に改善する急性蕁麻疹という経過をとりますが、時折、慢性蕁麻疹といい1ヶ月以上蕁麻疹が出たり消えたりするという状態を繰り返す場合もあり、内服が長期となることもあります。塗り薬でかゆみを多少やわらげてくれるものもあります。
温まると症状が強くなるため、お風呂は長湯せずにシャワーだけにしたり、布団は軽くかけるだけにしたりします。冷やしてあげるのも効果的な場合があります。
原因はわからないことの方が多いですが、もしも明らかな原因がある場合には、原因・悪化因子の除去が重要になります。

アデノウイルス

アデノウイルス感染症は潜伏期間が5~7日程度で、主に扁桃腺や気道に感染を起こしますが、結膜炎や腸炎を起こすこともあります。特別な治療薬はありません。
高熱が4〜5日程度(長いと1週間以上)続きます。解熱するまでに体力が消耗してしまい、水分も摂れなくなるようだと入院が必要になります。

とびひ(伝染性膿痂疹)

かきむしった手を介して、水ぶくれ(水疱)やかさぶた(痂皮)があっという間に全身へ広がります。とびひは、アトピー性皮膚炎、小さな怪我でできた皮膚の傷、虫刺され、その他の湿疹の部分を汚い手で掻いたりした際に細菌が入り込み、感染することで発症します。抗菌薬や塗り薬で治療します。

手足口病

夏かぜの一種で、手・足・口の中に水疱や発疹ができるのが特徴です(手足に水疱や発疹ができないものをヘルパンギーナと言います)。
生後6ヶ月くらいから、4~5歳頃の乳幼児に多い病気です。唾液や便から排泄されるウイルスが、接触感染によりうつります。潜伏期間は3~5日程度です。手のひら、足の裏、口の中に、周辺が赤くて真ん中が白い、米粒大の水疱ができます。足の甲やおしりにできることもあります。口の中にできた水疱が痛くて、水分を摂ることができなくなることがあります。そのような場合は解熱・鎮痛薬を内服して痛みを抑え、水分を摂ってもらいます。手・足の水疱部分は、少し痛がゆいこともあります。
熱は微熱~高熱(39~40℃)までお子さんによってさまざまで、多くは数日で下がります。ときに嘔吐や下痢を伴うこともあります。

急性胃腸炎

ウイルスや細菌の感染により生じます。頻度は圧倒的にウイルスが多く、ノロやロタが有名です。一方で卵・肉・井戸水・動物との接触により細菌性腸炎を発症し、血便が出たり菌血症(血液中に細菌が侵入して全身を巡る状態)になったりします。
嘔吐・下痢症状をイメージしやすいですが、腸管運動が麻痺して便秘になることもあります。注意すべきは脱水症です。嘔吐は苦しく、見た目も派手なため、心配になりますが、実は下痢の方が脱水症になるリスクが高いです。嘔吐は飲んだり食べたりした物が出るだけなのに対し、下痢は体から水分がどんどん失われるためです。
治療は「少量の水分(経口補水液)」を「こまめに」摂取することです。一度にまとめて飲むと嘔吐・下痢を誘発するため、1回に飲む量は2〜3口にとどめて、消化管の粘膜からゆっくり沁み渡らせながら吸収させます。10〜15分ごとに様子を見て症状がなければ再度飲ませます。これでも嘔吐する場合は吐き気止めを使用することもありますが、効果は十分とは言えず、連用すると副作用の錐体外路症状(体が意思に反して勝手に動く)が出ることもあるため注意が必要です。どうしてもの時に1回使用する程度です。嘔吐は基本的に24時間以内におさまるので、消化管が復活するまでは上記の方法で脱水症になるのを防ぎます。食事は食べたいなら与えても良いですが、それで嘔吐するようなら症状が落ち着くまではお休みしましょう。お腹を休めることも大事な治療です。また、下痢止めや抗菌薬は症状を悪化・長引かせることにも繋がるため使用しません。
胃腸炎は感染力が強いためあっと言う間に家庭内に広がります。吐物や便の処理をした後は、しっかり手洗いをして、家庭内感染を防ぎましょう。

溶連菌感染症

溶連菌感染症の一般的な疾患は、学童期によく見られる急性の咽頭炎、乳幼児に多く見られる皮膚感染症「伝染性膿痂疹(とびひ)」が挙げられます。
溶連菌感染症は、子供から子供へだけではなく、抵抗力の低下した大人にも感染します。治療が不十分な場合、敗血症、リウマチ熱(心臓の弁逆流を生じる)、腎炎などの合併症を引き起こすことがあるので、注意が必要です。治療は抗菌薬の内服を行います。

頭部外傷

お子さんが転んだりするなど頭部外傷は日常生活の中で遭遇することが多い怪我です。多くの場合はそのまま様子をみたり、ぶつけた部位を少し冷やしてあげたりという対応で大丈夫です。
しかし、受傷後しばらくしてから頻回に嘔吐したり(脳震盪)、意識を失ったり痙攣したり麻痺が生じたりする(頭蓋内出血)こともあるため、注意が必要です。特に打撲で頭部に裂創を負い、出血していると目に見える傷だけに注目がいきがちですが、実は頭の中で出血している可能性もあると考えて見守る必要があります。受診後も決して一人にせず、大人が近くに付き添ってあげてください。

熱性けいれん

6ヶ月〜6歳のお子さんが発熱時に起こすけいれん発作です。通常は数分でおさまり、意識の回復も早く、後遺症などの心配はありません。熱性けいれんを起こしたお子さんのうち8割は、それ以降、発熱時にけいれん発作を起こすことはありません。
けいれん発作を起こした時は、まず親御さんが落ち着くことです。嘔吐した物が詰まって窒息しないように、顔が横を向くように姿勢を整えてあげてください。昔は舌を噛まないようにタオルなどを口に入れる方もいたようですが、これは窒息の危険を高めるので絶対にやめましょう。そして、どのようなけいれん発作(手足が突っ張っていたか・ダラッとしていたか・左右の手足の動きは対称だったか非対称だったか・眼はどうなっていたか)なのか観察し、受診した際に伝えられるようにしましょう。けいれん発作中は気が動転してしまい、しっかり観察できないことが多いため、動画を撮影すると確実です。けいれん発作が5分以内におさまれば、少し落ち着いてから医療機関を受診します。また、5分以上けいれん発作が続くようなら救急車を呼んでください。
通常は発熱後に起こすけいれん発作は1回であることが多いですが、2回以上けいれん発作を繰り返す場合もあります。突発性発疹症の時に起こりやすいですが、他の重症な疾患の可能性もあるため、必ずすぐに医療機関を受診してください。
また、けいれん発作が15分以上続いたことがある場合や、その他ガイドラインに記載されている条件を満たしている場合は、毎回発熱時にけいれん発作を抑える座薬の予防投与を行うこともありますが、本当に適応のあるお子さんはそれほど多くはありません。予防投与を行うかどうか悩まれる場合はご相談ください。