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RSウイルス:(10 →) 11 → 7 → 10 → 3
アデノウイルス:(1 →) 4 → 1 → 1 → 2
溶連菌:(17 →) 21 → 10 → 11 → 13
感染性胃腸炎:(102 →) 92 → 87 → 113 → 57
水痘:(0 →) 0 → 0 → 0 → 1
手足口病:(1 →) 4 → 4 → 3 → 11
突発性発疹症:(0 →) 0 → 1 → 1 → 0
ヘルパンギーナ:(27 →) 62 → 90 → 98 → 36
インフルエンザ:(0 →) 6 → 11 → 10 → 15
新型コロナ:(10 →) 10 → 9 → 14 → 14
今週は1日あたり平均228人(先週は218人)の方が来院され、そのうち発熱者は平均107人(先週は104人)でした。
連休で診療日が少なかった影響もありますが、名前の付けられる感染症は少なかったです。その分、発熱が1週間以上続いたり、上がったり下がったりが1週間以上続いたりといった方がまた増えました。以前にも触れましたが、最初はウイルス単独感染ですが、免疫が弱ったところで細菌も感染して悪さをする「二次感染」でしょう。
一方、上の疾患には載せていませんが、先週辺りからヒトメタニューモウイルスというRSウイルスのお友達がちらほら見られるようになりました。症状や経過もRSウイルスとだいたい同じと思って下さい。通常は春先に流行するウイルスなのですが、ここでも感染症の季節性はおかしくなっています。インフルエンザもまだくすぶっていますし、コロナも微増ですし、感染症の戦国時代みたいですね。
それにしても暑い日が続きますね。「動き回るため暑がる看護師 VS. 動かないため寒がる私」のクーラー設定温度のせめぎ合いに、ようやく終止符が打たれそうです。頭おかしいんじゃないかと思われるかもしれませんが、椅子に座ったままほとんどその場から動かない上にクーラーの風が直に当たるので、本当に寒くて、つい最近まで診察中はヒートテックを着ていました・・・
余談はさておき、この暑さで汗をたくさんかいて皮膚の状態が悪化している方が増えています。汗を放置すると汗を分泌する管が詰まって炎症を起こしたり(これを汗疹(あせも)といいます)、元々あった湿疹が悪化して痒くなったりします。症状が軽い場合は清潔・保湿に加えてカラミンローションやベビーパウダーなど皮膚をサラッとさせるお薬を使用します(ただし、パウダーは厚く塗ると逆に汗の管が詰まってしまうので、程良く塗りましょう)。炎症が強い場合はステロイド剤も加えて炎症を抑え込みます。こまめに汗を拭く・洗い流す、濡れたシャツを着替えるなども、薬を使わず手軽にできる予防法ですので、意識してみると良いでしょう。
また、汗とは関係なく元々お肌が荒れている方も、やはり清潔と保湿が基本となります。ガーゼ、スポンジ、タオルなどで洗うと、荒れた肌が余計に荒れてしまうことがあるため、指の腹を使ってやさしく洗ってあげましょう。擦ると言うよりも、泡で洗うイメージが良いと思います。そして皮膚がカサつく前に保湿剤を塗って常にお肌が潤った状態をキープしましょう。保湿剤は軟膏→クリーム→ローションの順でベタつき感がなくなるため使いやすくなりますが、保湿力は弱くなるので注意が必要です。乾燥が強い冬場は軟膏、汗をかく夏場はベタつきを抑えたローションといったように、季節やお肌の乾燥具合をみながら、嫌がらずに続けられる剤型を選びましょう。
上記の方法でお肌が綺麗にならない場合や元々の荒れが強い場合はステロイド剤の塗布を併用します。ステロイドを塗ると速やかに皮膚は綺麗になりますが、そこで塗るのを止めるとすぐに再発します。皮膚表面の炎症が治まっただけで、深いところの炎症がまだ残っているためです。深層まで炎症をしっかり消すために、プロアクティブ療法を行います。最初はステロイドを1日2回塗り、お肌が綺麗になったら1日1回に減量します。これを1〜2週間続けて悪化がなければ次は2日に1回に減らし、以降も1〜2週間の間隔で3日に1回、4日に1回、・・・と減量し、最終的にステロイドの塗布を終了します。よく他院で「1か月に*回以上は塗らないように」指導を受けたとおっしゃられる方がいますが、それではいつまでたっても治りません。塗って良くなって、やめて悪化してを延々に繰り返すことになります。いつまでたってもステロイドを中止できないため、結局トータルで使用するステロイドの量はプロアクティブ療法よりもずっと多くなってしまいます。
皮膚はバリアです。バリアが壊れている荒れた皮膚からアレルギーの原因になるアレルゲンが侵入することでアレルギー体質になっていきます。よく勘違いされやすいのですが、アレルギー体質だから皮膚が荒れているのではなく、皮膚が荒れているからアレルギー体質になってしまうのです。園や学校の内科検診で一番多く目についたのが「お肌の荒れ」でした。食物アレルギーがあれば食生活が制限されますし、アトピー性皮膚炎で皮膚が痒ければ勉強やスポーツに集中できなかったり、眠れず寝不足になったりして、日常生活の質が低下してしまいます。特に乳幼児は皮膚を綺麗に保つだけでアレルギー疾患に罹患する確率をグッと抑えることができるので、ぜひお肌を綺麗に保ってあげて下さい。
長文になってしまいましたが、わかりずらい場合はぜひ受診時に質問して下さい。プリントや冊子などもありますので、詳しくご説明させていただきます。
多くのお子さんが今週から夏休みに入りました。なかには体調不良のため予定していた旅行をキャンセルせざるを得ないご家庭もあるかと思いますが、事件や事故に巻き込まれることなく、一人でも多くのお子さんが楽しい思い出を作れるように願っています。
☆当院は厚生労働省「感染症発生動向調査」の小児科定点になっており、上記は対象となる疾患を集計したものです。
☆印旛保健所管内の感染症情報はこちらhttp://www.inba-med.or.jp/update.html