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<10/27〜11/2>地域で流行っている病気|あんべこどもクリニック|印西市の小児科・アレルギー・予防接種・乳幼児検診

<10/27〜11/2>地域で流行っている病気


RSウイルス:(0→) 0
hMPV:(0→) 0
アデノウイルス:(0→) 0

溶連菌:(11→) 22
胃腸炎:(39→) 45
水痘:(0→) 0
手足口病:(3→) 1
突発性発疹症:(0→) 0
ヘルパンギーナ:(0→) 1
伝染性紅斑:(0→) 0
インフルエンザ:(106→) 191
新型コロナ:(6→) 5
(※ヒトメタニューモウイルス)

 

今週の1日あたりの発熱者は平均85人/日(先週は60人/日)でした。

発熱患者が増えました。それに伴いインフルエンザ陽性者も増え、先週と比べるとほぼ倍になっています。全員A型です。メインは気道症状ですが、嘔気や嘔吐が主症状の方も目につきました。また、インフルエンザは小さい子供だけでなく、10代のお兄さんやお姉さんも幻覚・幻聴・異常行動といった熱せん妄やけいれん発作を起こしやすいウイルスです。発見が遅れないように、必ず大人の目が届くところで休ませるようにしましょう。また、浴槽の中でけいれん発作を起こすと溺水してしまいます。まだ解熱していないけれど、どうしてもお風呂でサッパリしたいなどの場合は、ちょこちょこ声かけをしたり、風呂場のドアをわずかに開けておくなどすると良いでしょう。
しばらくインフルエンザの流行は続きます。まだ感染してない人、ワクチンを接種していない人は注意して行動しましょう。

 

インフルエンザの話題に関連して一つ。このシーズンになると毎年「ワクチンにチロメサールは入っていますか?」というお問い合わせをいただきます。答えは「はい、入っています」です。
チロメサールはワクチンの有効期限を長くするために使用されていて、保存剤の役目をしています。いわゆる水銀化合物なのですが、この「水銀」が心配なのでしょう。代表的な水銀化合物にメチル水銀、エチル水銀がありますが、それぞれ以下のようになっています。

<メチル水銀>
・水俣病の原因
・半減期70日
 →摂取して2か月経ってもまだ半分以上が体内に残っている
・魚介類に多く含まれている
 →日本人はメチル水銀として1日あたり7〜10ug摂取している

<エチル水銀>
・ワクチンの保存剤
・半減期7日
 →摂取して2か月経つと体内に残っているのはわずか500分の1以下
・3歳未満:ワクチン0.25mLに1.25ug入っている
・3歳以上:ワクチン0.5mLに2.5ug入っている

例えば、お寿司のマグロ一貫に含まれているメチル水銀は2〜8ug(マグロの種類による)と言われています。つまり回転寿司に行き、マグロ一貫を美味しく食べるという事は、インフルエンザワクチン1〜6本分を笑顔で接種しているのと同じことになります。加えてマグロに含まれる水銀はワクチンに含まれる水銀よりも半減期が長く、毒性も強いものとなるため、ワクチンなんかよりもずっと体に負担がかかります。
冒頭の質問の答えの続きに戻りますが、「水銀が怖くて普段から魚介類の摂取を避けていたり、マグロ一切れ食べるのにも不安を感じるのであれば、チロメサール入りのワクチンを打つ事はおすすめしません。逆にそうでないならば、ワクチンを接種することに何も心配はいりません。」となります。

チロメサールの他に、ワクチンに含まれているアルミニウムもよく話題に取り上げられます。例えば5種混合ワクチンに含まれるアルミニウムは0.1mgです。それに対し、子供が1日に摂取するアルミニウムは平均1.9mgです。毎日ワクチンの19倍ものアルミニウムを体内に取り込んでいるのに、たまに打つ0.1mgが有害だとどうして言えるのでしょうか。

インスタグラムなどのSNSには、ワクチンに含まれるチロメサールやアルミニウムが自閉症をはじめ様々な発達障害や有害な副作用を引き起こしているから打つのをやめようと発信している人たちが数多くいます。専門的な知識や裏付けも全くなしに、耳障りのよい言葉と軽快なリズムで、さも専門家であるかのように発信しています。「え?本当?子供に打っちゃったよ・・・」と不安になる人も多いことでしょう。そして、この情報を真に受けてワクチン接種を断念してしまう人も一定数いるでしょう。とても残念なことです。ワクチンで防げる病気の多くは、一度でも罹ってしまうと取り返しのつかない後遺症を残す、場合によっては命を落としてしまうものばかりです。インフルエンザワクチンにしても、重症肺炎やインフルエンザ脳症といった重症化を防ぐ作用があります。そういった予防の機会を奪う行為は犯罪行為と言っても過言ではありません。もちろん、副反応や有害事象がゼロではありません。ただ、重篤な有害事象を引き起こす頻度は非常に低いです。もしそれすら怖いと言うのであれば、交通事故に会うのが怖くて車に乗れない、自転車に乗れない、道すら歩けないとほぼ同義です。

誰でも気軽に情報を世界に発信できるようになり、とても便利な世の中になりました。一方で受ける側がしっかりと情報の取捨選択をしないと、とんでもない損害を被ることになります。インパクトのある情報だけに注目して、それを鵜呑みにすることがないよう、くれぐれも気をつけて下さい。

 

 

☆当院は厚生労働省「感染症発生動向調査」の小児科定点になっており、上記は対象となる疾患を集計したものです。

☆印旛保健所管内の感染症情報はこちらhttp://www.inba-med.or.jp/update.html

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