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RSウイルス:(3 →) 6
アデノウイルス:(3 →) 4
溶連菌:(8 →) 11
感染性胃腸炎:(115 →) 136
水痘:(0 →) 0
手足口病:(2 →) 4
突発性発疹症:(2 →) 1
ヘルパンギーナ:(5 →) 1
インフルエンザ:(1 →) 1
新型コロナ:(4 →) 3
今週は1日あたり平均223人(先週は222人)の方が来院され、そのうち発熱者は平均88人(先週は92人)でした。
今週もこれまでと同様の傾向で、発熱が長く続いている方、咳が酷くて夜眠れない方が多く来院されました。それにしても発熱が長期に渡る方が多過ぎます。
感染症にはウイルス、細菌、真菌の3種類があり、小児の感染症の約9割はウイルスです。残りは細菌と真菌ですが、真菌は余程免疫が弱い・弱っている場合(新生児や免疫不全など)にしか見られません。つまり、通常は①ウイルスのみの感染、②細菌のみの感染、③ウイルスと細菌の混合感染の3パターンが考えられます。
ウイルス単体で発熱期間が長くなるものとしてはアデノウイルスが代表的です。これが陽性になる方もいますが、大多数の方は陰性です。特徴的な咳が長く続いたり、特徴的な皮疹が出たりする場合はマイコプラズマや溶連菌などの細菌感染の可能性があるので、抗菌薬を処方しますが、そこまで多くはありません。つまり、今回は③の混合感染のパターンが多いのではないかと考えています。
先週のブログにも書きましたが、発熱が長く、気道症状が強いお子さんからライノウイルス・エンテロウイルスというウイルスが検出されています。ただ、これらのウイルスに感染しただけではこんなに多くの方が1週間以上も発熱が続くことは多くないですし、血液検査で炎症の値が高くなることもありません。これらのウイルスに感染した後、免疫力が弱まったところで別の細菌(肺炎球菌やインフルエンザ桿菌、モラキセラなどが痰の培養検査から検出されています)が一緒になって悪さをし始めた結果、今のような状況になっているものと思われます。こうなると、抗菌薬を使用して細菌をやっつけなければなりません。「熱が出たらすぐ抗菌薬を飲みたい」という親御さんもいらっしゃいますが、これは百害あって一利なしです。同時感染と言っても細菌は後から感染してくるので、最初のウイルスだけ感染している時に内服しても意味がありません。それどころか耐性菌を作ってしまいます(詳しくはホームページにある小児科の代表的な診療内容の「発熱」の項目をご参照下さい)。ご理解いただけたらと思います。
溶連菌はやや増えています。溶連菌感染後の合併症の一つに溶連菌感染後急性糸球体腎炎というものがあるため、昔は治療1か月後くらいに尿検査を行っていましたが、今はもう必要ありません。腎炎が生じるとコーラ色のどす黒い尿が出たり、全身が浮腫んだりするのですぐにわかります。万が一、そのような症状が出たらすぐに受診して下さい。
生後半年未満でRSウイルスが陽性になる児が数名みられました。発症4〜6日目が症状のピークですが、混合感染を起こして呼吸状態が一気に悪化することもあります。鎖骨のくぼみや肋骨がペコペコしたり、鼻がピクピクしているような呼吸は苦しいサインです。その時点ですぐに医療機関を受診しましょう。
目やにを伴う感冒の方はまだまだ来院されていますが、週末はやや減ってきた印象です。
このブログを書いている6/4 21時現在、既に6/5(月)の発熱枠が16時まで埋まっていました。症状や状態によっては早めに診察するのが望ましい場合もあります。必要と判断したらすぐに診察しますので、枠が埋まっていても遠慮なくお電話にてご相談いただければと思います。
終わらない流行はありません。一緒に頑張っていきましょう!!
☆当院は厚生労働省「感染症発生動向調査」の小児科定点になっており、上記は対象となる疾患を集計したものです。
☆印旛保健所管内の感染症情報はこちらhttp://www.inba-med.or.jp/update.html