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RSウイルス:(1→)0→ 1
hMPV※:(1→)0→ 0
アデノウイルス:(4→)2→ 0
溶連菌:(11→)7→ 19
胃腸炎:(40→)48→ 67
水痘:(2→)3→ 2
手足口病:(4→)4→ 0
突発性発疹症:(0→)2→ 0
ヘルパンギーナ:(4→)8→ 9
伝染性紅斑:(5→)5→ 5
インフルエンザ:(3→)1→ 0
新型コロナ:(3→)13→ 9
(※ヒトメタニューモウイルス)
今週の1日あたりの来院数は平均173人/日(先週は156人/日)、発熱者は平均51人/日(先週は42人/日)でした。
コロナは毎日1〜2名陽性者が出ていますが、増えてきている印象はありません。インフルエンザも見なくなりました。多いのは夏風邪(エンテロウイルス)の感染です。症状としては咳、鼻、下痢、発疹です。対症療法でみるしかありませんが、発熱が1週間以上続く子が数名いました。基本的には元気なことが多いですが、長期戦になると体力が消耗してきて飲食が摂れなくなるケースもあります。そうなると入院が必要になってくるので、注意が必要です。
感染症以外では、先週末に台風が近づいていた影響で喘息発作を起こしてしまっている方がちらほら散見されました。台風以外にもこの時期は、実家に帰省、旅館、花火や蚊取り線香の煙などでも発作を起こす子がいますので、喘息の方は注意して下さい。
夏休みに入り、学校の内科健診で引っかかったと来院される子達が増えてきました。「肥満」「貧血」「高脂血症」がトップ3です。
肥満・・・見た目や体型のことについて口にすることは良くないと小さい頃から教え込まれている日本では、なかなか扱いにくい問題です。ただ、医療者としてあえて厳しくいうのであれば、「肥満は百害あって一利なし」です。ネットで検索すると、簡単に肥満度を計算することができるので、一度お子さんの肥満度を確認することをおすすめします。「肥満度20%〜は注意報」、「30%〜は警報」、「40%〜は特別警報」、「50%〜は直ちに命を守る行動を」といったイメージでしょうか。
肥満になると脂肪が増えます。余計な脂肪は肝臓に張り付いて脂肪肝→肝硬変へと進行していき、一部肝臓ガンを発症します。肝硬変になって肝機能が低下すると黄疸や腹水を生じてきます。こうなると、もう治療法はありません。また、血液中に脂肪が溢れてくると高脂血症となり、血栓を作って脳梗塞や心筋梗塞、肺塞栓症を生じます。更に、常に高血糖に晒されるため、糖尿病を発症します。糖尿病の行く末は失明、腎不全(一生透析)、手足の壊死(切断します)です。そして大抵、高血圧も伴うため、上記全ての病気の進行を早めます。肥満の人はそうでない人に比べて圧倒的に寿命が短いです。更には健康寿命(元気にいられる年齢)も短いです。ぽっちゃりと言えば可愛いですが、それは短命への第一歩です。
どうして肥満になるのか。それはもう簡単で、「食べ過ぎ」だからです。「摂取カロリー(食事)>消費カロリー(運動)」が成り立っているから肥満になるのです。子供は放っといても動くので、運動不足で太る子はそれほど多くはありません。圧倒的に食べ過ぎが影響しています。もちろん、もともと持っている病気のため肥満になってしまっているケースもあります。しかし、それはほんのわずかです。多くの人は「病気だから肥満になる」のではなく、「肥満になるから病気になる」のです。
では、どうすれば肥満にならないか。答えは簡単で、「摂取カロリー<消費カロリー」の状態にすれば良いのです。食べ過ぎを是正して、適度に運動すれば良いのです。そうお話すると、お母さんの中には「食事も普通だし、間食もしないし、運動もしているし、どうしたら良いのか・・・」や、「頑張って食べる量を減らしているけれど、体重が増えていく一方で・・・」という方が意外と多いです。しかしそれは、お母さんの「普通」が、いわゆる「過剰」になっているからです。食べなければ太りません。食べ過ぎるから太るんです。贅を尽くしている北の将軍様はぶくぶく太り、貧しい国民はガリガリに痩せ細っていますよね。「食べ過ぎ」が「普通」の状態になっている場合は栄養士による栄養指導を受けてもらい、標準摂取量を知ってもらいます。そうすると「今まで大分食べ過ぎだったんですね」と返事が返ってきます。また、あまりにひどい場合は教育入院してもらい、強制的に適正カロリーの食事しか食べられないようにします。そうするとみるみる体重は減っていき、それまでどれだけ過剰に摂取していたかを実感してもらえます。ただ、残念なことに、退院するとあっと言う間に元の体重に戻ってしまうことが多いです・・・。
ここまで少し厳しめの表現で説明してきましたが、それは肥満の治療はとても難しいからです。短期間で終わるものではなく、地道な努力の継続が必要だからです。お腹が空いた・美味しいもの(大抵は体に悪い物)が食べたい・ダラダラしたいといった気持ちは誰にでもあるものですが、それを毎日コントロールしていかなければなりません。そして、そのコントロールを家族全員でやらなければなりません。
具体的には、
・体重は増やさずに現状維持を目指す(身長は放っといても伸びるので、体重が増えなければ相対的に標準体型に近づきます)
・おかわりしない
・間食はやめる
・マックと脂っこい物はほどほどに
・野菜や魚もバランス良く食べる
・適度にウォーキングやランニング、縄跳びなど
といったところでしょうか。
いきなり全ての項目をやろうとすると辛くて長続きしないので、まずはどれか1つだけで構いません。1つをしっかり継続できるようにしましょう。それだけで成果が出ることが多いです。また、毎日決まった時間に体重計に乗り、前日より増えていないことを確認しましょう。もし増えている場合は1日を振り返り、何がいけなかったのか反省し、翌日以降に活かしましょう。
よく、「食べたがっているから(可哀想)」「お腹が空いたと泣いているから(可哀想)」と言って、結局好き放題食べ与えてしまうご家庭がありますが、それはその子の寿命をジワジワ奪う行為に他なりません。どちらが可哀想か考えてみると良いでしょう。心当たりのあるご家庭は、一度ご家族で話し合うことをおすすめします。外来で定期的に身長・体重を計測し、現在どのような状況かなど一緒に把握したり、次回までに何を頑張るか相談したりもしています。ご希望の方は声をかけていただければと思います。
☆当院は厚生労働省「感染症発生動向調査」の小児科定点になっており、上記は対象となる疾患を集計したものです。
☆印旛保健所管内の感染症情報はこちらhttp://www.inba-med.or.jp/update.html