＜7/24〜7/30＞地域で流行っている病気｜あんべこどもクリニック｜印西市の小児科・アレルギー・予防接種・乳幼児検診

RSウイルス：(10 →) 11 → 7 → 10 → 3 → 1
アデノウイルス：(1 →) 4 → 1 → 1 → 2 → 1
溶連菌：(17 →) 21 → 10 → 11 → 13 → 12
感染性胃腸炎：(102 →) 92 → 87 → 113 → 57 → 81
水痘：(0 →) 0 → 0 → 0 → 1 → 1
手足口病：(1 →) 4 → 4 → 3 → 11 → 3
突発性発疹症：(0 →) 0 → 1 → 1 → 0 → 1
ヘルパンギーナ：(27 →) 62 → 90 → 98 → 36 → 21
インフルエンザ：(0 →) 6 → 11 → 10 → 15 → 6
新型コロナ：(10 →) 10 → 9 → 14 → 14 → 28

 

今週は1日あたり平均216人(先週は228人)の方が来院され、そのうち発熱者は平均98人(先週は107人)でした。夏休みに入った影響か、少し来院患者数が減りました。発熱者数に関しても、8週間ぶりに1日平均100人を切りました。

感染症の種類としてはヘルパンギーナが激減しました。仲間の手足口病はまだこの地域で流行をみていないので、これからでしょうか。

一方、ニュースでも見聞きしているとは思いますが、この地域でも少しずつコロナ陽性者が増えています。先週までは家庭内で感染するパターンがほとんどでしたが、今週は周囲にコロナ陽性者がいないのに陽性となる方も見られるようになってきました。知らない間に陽性者とすれ違う・それなりの時間接触している証拠です。週末にかけて陽性者が増えてきているので、お盆が明けたら大流行している可能性もありそうです。

 

それにしても殺人的な暑さが続いていますね。昼休憩時は気分転換のためコーヒー片手に近くの公園まで日向ぼっこ(日焼け)しに行くのですが、まるでサウナです。連日、全国のあちこちで熱中症になって救急搬送されたり、中には死亡してしまったりする人が続出しています。そして日中は不要な外出を控えるようにと各所からアラートも出ています。しかし、そんなのおかまいなしに子供達は部活やら合宿やら大会やら頑張っています。医師の立場からみると、非常に危険だなと思います。
人間の体は通常、

「熱の産生」＝「熱の発散」

とバランスをうまく保っていますが、何らかの理由で

「熱の産生」＞「熱の発散」

になると、熱中症と言われる状態になります。
具体的には、

　「熱の産生」が増える：
長時間に渡るハードな作業や運動

　「熱の発散」が減る：
高温多湿、短い休憩、熱がこもる服装

などが理由に挙げられます。注意しなければならないのは、「熱の産生」が変わらなくても、「熱の発散」が減れば熱中症になるということです。つまり、何もしていなくても、室内であっても、ただ暑いところにいるだけで熱中症になり得るということです。人間の体温は36〜37℃ですが、最近の日中の最高気温はこれと同じかそれ以上です。これでは熱を発散できません。そんな中で「熱を産生」するのは自殺行為です。
もし熱中症になってしまった場合は、

・涼しい日陰や室内へ移動する
・服を緩めたり脱がせたりする
・スポーツドリンクを飲ませる
・体を氷嚢で冷やす　　　　　

で対応しましょう。
汗の中にはナトリウムが含まれているため、大量に発汗した後に水分だけを補うと、低ナトリウム血症になってけいれんします。必ず「水分＋塩分を別途」または「OS-1やスポーツドリンク」を補給するようにしましょう。また、首・脇・股の付け根は太い血管が走っているので、ここを冷やすと効率良く全身を冷却することができます。万が一、外で体温が40℃を超えてしまっているなら、それは命が危険にさらされている状態です(＊)。すぐに救急車を呼んで一刻も早く治療を開始してもらいましょう。

 

(＊)体温に関して
熱中症による40℃と、感染による40℃は全く別物です。前者は上げたくないのに外的要因で強制的に体温が上がってしまうのに対して、後者は「ここまでなら良いよ」と脳が意図的に体温を上げています(通常42℃まで)。風邪で40℃、41℃になっても、それだけですぐにどうにかなってしまうことはないので、落ち着いて医療機関を受診すれば大丈夫です。もちろん辛いは辛いですが・・・

 

 

☆当院は厚生労働省「感染症発生動向調査」の小児科定点になっており、上記は対象となる疾患を集計したものです。
☆印旛保健所管内の感染症情報はこちらhttp://www.inba-med.or.jp/update.html